真実を知りたいー4

エスタブの欺瞞が許せないので、頑張るしかないのです。

SNS、選挙、アルゴリズム

iyahaya


 私は、今回の高市自民党政権の地滑り的勝利には、さまざまな問題が含まれていると思います。 公職選挙法では、「選挙運動」と「政治活動」は区別されていますが、YouTubeやTikTokで流されたショート動画、SNSで投降された諸情報は、現在の公職選挙法では対応できない問題としてとらえ、新た法的規制を考えるべきではないかと思います。選挙に関わる動画を、収益目的で投降する人たちが、間接的に選挙運動に関わったり、ステルスマーケティングの手法が選挙で利用さたり、片寄った選挙情報の表示が意図されたりする問題は、インターネットを介した情報の普及により出てきた新たな問題で、過去にはなかったことだと思います。

 自民党広報関係者が、「首相に肯定的な情報が勝手に拡散され楽だった」というような発言をし、逆に、中道は、「検挙中に否定的な動画が拡散され、デマや批判が渦巻いた」と、落選した元幹部が嘆いていたという現実は、放置できない問題だろうと思います。

 「選挙ドットコム」の調査によると、衆院選の期間中にYouTubeに投降された動画は、およそ9万本で、再生回数は28億回を上回り、前回の衆院選の10倍だったといいます。そして、自民党に関するものが最も多かったといいます。

 だから、選挙ドットコムの高畑社長は「SNSで選挙コンテンツを見る流れが加速している。高市さんを動画にすれば数字がとれ、数字が取れるから人気が出るというサイクルができていた。サードパーティーを巻き込んだ独走状態だった」と語ったといいます。

 また、朝日新聞の前田直人氏は、2024年の夏の東京都知事選と秋の兵庫県知事選で、「ショート動画」の威力に気づき、下記のようにかいていました。

”興味をそそる場面が元動画から切り取られた1本60秒ほどのショート動画は、内容がおもしろければ一気に再生回数が伸びる。おすすめのアルゴリズムに乗って日常に割り込み、好反応なら、似た動画が芋づる式に後に続く仕組みだ。視覚効果が鮮烈で、ついのめり込む。若者に人気のTiKokが特に使いやすく、認知への影響も大きい。音楽だけなら「楽しかった」で済むのだが、政治ネタが近年急に増えたことが気になった。”

  そして、令和7年の参院選で躍進した参政党や国民民主党は、自発的にショート動画を切り抜き、広める「切り抜き職人」と呼ばれ支援者が活躍して、躍進したと書いていたのです。

 また、JX通信社の米重克洋氏は「数%の得票率を稼ぐ程度だったネット地盤が、数十%の影響力を持つようになった」と語ったことも明らかにしていたのです。

 さらに、問題なのは、参院選で再生上位動画の内容が、高市氏の掲げる政策や政治的主張とは関係のないものであったということです。2月23日の朝日新聞の下記のような記事がそのことをはっきり示していると思います。

”高市氏に関する動画のうち、最も多く再催されたのは、「高市総理の握手会で起こった信じられない出来事」と題されたショート動画だった。高石氏が遊説先で支持者に手を引っ張られるような場面の後、テーピングをした手を掲げて「治療していただいたんで大丈夫です」と笑顔を見せる動画だ。集計時点で580万回以上再生された。

 動画投稿者は朝日新聞の取材に「多く再生された理由は、首相の優しさが短時間で伝わる内容だった点にある。最後の『大丈夫です』の言い方がとても視聴者に刺さると思った」と回答した。

 次に多かった動画は、「高市総理と吉村代表のほのぼのトーク!」だった。テレビ番組のスタジオで高市氏が日本維新の会の吉村代表に、「ええなぁ~手わけできて」と語る動画だ。

 これら二つの動画についたコメントから、頻度が高い単語を調べたところ、「優しい」「大丈夫」「おばちゃん」など人柄を肯定的に捉えた単語が多かった。…”

 だから、すでに選挙は、政策や主張の議論ではなく、短い動画、印象的な一言、感情に訴える投稿で、若者を取り込んだ方が勝つという状況になっており、そうした状況をつくりだすことのできる資本家(富裕層)や資本家(富裕層)に支えられている政党や政治家が選挙では圧倒的に有利なのです。公平な選挙の地盤は喪失されつつあるということです。

 Google(Alphabet)、Apple、Facebook(Meta)、Amazon、MicrosoftなどのGAFAM(ガーファム)と呼ばれるような米国巨大IT企業は、人が見たい情報だけを表示し、 競争相手の情報は見えなくするというようなアルゴリズムをプログラムし、自らに効果的な「アルゴリズム」を組み込んでいるといわれますが、それが選挙に利用され、公平な民主主義は失なわれつつあるのだと思います。

 だから、 SNSのアルゴリズムは中立ではなく、 偏見を拡大し、社会格差を固定するということで、以前取り上げたギリシャの経済学者、ヤニス・バルファキスは、社会の民主的な対話が破壊され、政治家と手を結んだテクノロジーの所有者に権力が集中する「デジタル独裁」が加速していると言うのです。